市場用語集

株式市場で使用される専門用語を解説します。基本用語からチャート用語、指標用語、取引用語まで、投資家のレベルに合わせた情報を提供します。

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基本用語
チャート用語
指標用語
取引用語

英数 英数

IPO(新規株式公開)

重要度高

IPO(Initial Public Offering)とは、未上場企業が新たに株式を証券取引所に上場し、公開することです。企業は資金調達を行い、投資家は新たな投資機会を得ることができます。

主なポイント

  • 企業が資金調達を行う重要な手段
  • 株式の公開価格は主幹事証券会社によって決定される
  • 抽選方式で一般投資家に割り当てられることが多い
  • 上場初日は価格変動が大きくなる傾向がある

使用例

「テクノロジー企業Aは来月IPOを予定しており、初値は公開価格を大きく上回ると予想されている」

PER(株価収益率)

重要度高

PER(Price Earnings Ratio)は、株価を1株当たりの純利益(EPS)で割った値で、株価が収益の何倍かを示す指標です。企業の株価が割高か割安かを判断する際に使用されます。

計算方法

PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)

例:株価が3,000円、EPSが150円の場合、PERは20倍

使用例

「この企業のPERは30倍と業界平均の20倍を大きく上回っており、株価が割高な可能性がある」

関連用語

PBR(株価純資産倍率)

重要度高

PBR(Price Book-value Ratio)は、株価を1株当たりの純資産(BPS)で割った値で、株価が純資産の何倍かを示す指標です。企業の資産価値に対する株価の割高・割安を判断する際に使用されます。

計算方法

PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)

例:株価が3,000円、BPSが2,000円の場合、PBRは1.5倍

使用例

「この企業のPBRは0.8倍と1倍を下回っており、純資産に対して株価が割安な状態にある」

関連用語

ROE(自己資本利益率)

重要度中

ROE(Return On Equity)は、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合を示す指標です。企業が株主から預かった資本をどれだけ効率的に利益に変換しているかを測定します。

計算方法

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)

例:当期純利益が100億円、自己資本が1,000億円の場合、ROEは10%

使用例

「この企業のROEは15%と高く、株主資本を効率的に活用して利益を生み出している」

関連用語

あ行

安値(やすね)

重要度高

安値とは、一定期間内における株価の最も低い価格のことを指します。日中安値、年初来安値、史上最安値など、参照する期間によって異なります。

主なポイント

  • テクニカル分析において重要なサポートレベルとなることが多い
  • 連続して安値を更新する場合は下降トレンドの強さを示す
  • 前回の安値を割り込まずに反発する場合は、底打ちのサインとなることがある
  • 年初来安値や史上最安値の更新は、投資家心理に大きな影響を与える

使用例

「日経平均は一時27,000円の年初来安値を記録したが、その後は反発して上昇トレンドに転じた」

アップトレンド

重要度中

アップトレンドとは、株価が全体的に上昇傾向にある状態を指します。高値と安値がともに切り上がっていく(前回の高値より高い高値、前回の安値より高い安値をつける)パターンが特徴です。

主なポイント

  • 高値と安値が切り上がりながら推移する
  • 移動平均線が上昇傾向を示し、株価が移動平均線の上に位置することが多い
  • 調整(一時的な下落)後も、前回の安値を割り込まずに上昇を再開する
  • 出来高は上昇局面で増加し、調整局面で減少する傾向がある

使用例

「この銘柄は3ヶ月間アップトレンドが続いており、押し目買いの好機を狙っている投資家が多い」

か行

株価指数(かぶかしすう)

重要度高

株価指数とは、特定の市場や業種の株価全体の動向を表す指標です。複数の銘柄の株価を一定のルールで集計し、単一の数値として表します。市場全体の動きを把握するために使用されます。

主な株価指数

  • 日経平均株価(日経225):東証一部上場企業から選ばれた225銘柄の平均株価
  • TOPIX(東証株価指数):東証一部上場全銘柄の時価総額加重平均
  • JPX日経インデックス400:ROEなどの指標を基に選定された400銘柄の時価総額加重平均
  • 日経ジャスダック平均:ジャスダック市場上場銘柄の平均株価

使用例

「本日の日経平均株価は前日比300円高の29,500円で取引を終えた」

株主優待(かぶぬしゆうたい)

重要度中

株主優待とは、企業が自社株主に対して提供する特典のことです。自社製品、商品券、割引券などが一般的で、配当とは別に株主に還元する仕組みです。

主なポイント

  • 権利確定日に株主名簿に記載されている株主に付与される
  • 保有株数に応じて優待内容が異なることが多い
  • 年1回または年2回実施する企業が多い
  • 長期保有株主向けの特別優待を設ける企業も増えている

使用例

「この飲食チェーンは100株以上保有する株主に対して、年2回5,000円相当の食事券を株主優待として提供している」

株式分割(かぶしきぶんかつ)

重要度中

株式分割とは、企業が発行済み株式を分割して株式数を増やす手法です。株主が保有する株式数は増えますが、株価は分割比率に応じて下がるため、理論上は資産価値は変わりません。

主なポイント

  • 1株を2株、1株を3株など、様々な分割比率がある
  • 株価が高騰した銘柄の投資しやすさを向上させる目的で実施されることが多い
  • 株式の流動性向上につながる
  • 分割による株価の調整後、心理的に割安感が生まれ株価が上昇することもある

使用例

「テクノロジー企業Bは来月1:4の株式分割を実施し、現在の株価40,000円を10,000円程度に調整する予定だ」

さ行

サポートライン

重要度高

サポートラインとは、チャート上で株価が下落した際に反発しやすい価格帯を結んだラインのことです。過去に何度か株価が反発した価格水準に引かれ、下値支持線とも呼ばれます。

主なポイント

  • 過去の安値を結ぶことで形成される
  • 株価がサポートラインに接近すると買い注文が入りやすい
  • サポートラインを下抜けると、さらなる下落の可能性が高まる
  • 下抜けた後に再び上抜けると、レジスタンスラインに転換することがある

使用例

「日経平均は28,000円付近に強いサポートラインがあり、3度この水準で反発している」

指値注文(さしねちゅうもん)

重要度高

指値注文とは、株式の売買において、取引を行う価格を指定する注文方法です。買いの場合は指定価格以下、売りの場合は指定価格以上でないと約定しません。

主なポイント

  • 希望する価格で取引できるというメリットがある
  • 指定した価格に到達しない場合は約定しないリスクがある
  • 価格変動が激しい相場では約定しにくくなることがある
  • 寄り付き(取引開始時)や引け(取引終了時)に特殊な指値注文方法がある

使用例

「現在の株価は1,500円だが、1,450円で指値買い注文を出しておき、一時的な下落時に自動的に買えるようにした」

た行

高値(たかね)

重要度高

高値とは、一定期間内における株価の最も高い価格のことを指します。日中高値、年初来高値、史上最高値など、参照する期間によって異なります。

主なポイント

  • テクニカル分析において重要なレジスタンスレベルとなることが多い
  • 連続して高値を更新する場合は上昇トレンドの強さを示す
  • 前回の高値を超えられずに反落する場合は、天井のサインとなることがある
  • 年初来高値や史上最高値の更新は、投資家心理に大きな影響を与える

使用例

「日経平均は一時30,000円の年初来高値を記録したが、その後は利益確定売りで反落した」

ダウントレンド

重要度中

ダウントレンドとは、株価が全体的に下落傾向にある状態を指します。高値と安値がともに切り下がっていく(前回の高値より低い高値、前回の安値より低い安値をつける)パターンが特徴です。

主なポイント

  • 高値と安値が切り下がりながら推移する
  • 移動平均線が下降傾向を示し、株価が移動平均線の下に位置することが多い
  • 反発(一時的な上昇)後も、前回の高値を超えずに下落を再開する
  • 出来高は下落局面で増加し、反発局面で減少する傾向がある

使用例

「この銘柄は2ヶ月間ダウントレンドが続いており、反発を売る戦略が有効となっている」

な行

日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)

重要度高

日経平均株価(日経225)は、東京証券取引所に上場する代表的な225銘柄の株価を平均した指数です。日本の株式市場全体の動向を示す代表的な指標として広く利用されています。

主なポイント

  • 株価平均型の指数で、株価の高い銘柄ほど影響力が大きい
  • 日本経済新聞社が算出・公表している
  • 構成銘柄は定期的に見直される
  • 先物やオプション取引の対象となっている

使用例

「米国株式市場の上昇を受けて、日経平均株価は29,000円台を回復した」

は行

配当(はいとう)

重要度高

配当とは、企業が利益の一部を株主に現金で還元する仕組みです。株主に対する重要な利益還元方法の一つで、通常は年1回(期末配当)または年2回(中間配当と期末配当)実施されます。

主なポイント

  • 配当金額は1株あたりの金額で表示される
  • 配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100(%)で計算される
  • 権利確定日に株主名簿に記載されている株主に支払われる
  • 配当性向 = 配当金総額 ÷ 当期純利益 × 100(%)で、利益に対する配当の割合を示す

使用例

「この企業は1株あたり年間60円の配当を実施しており、現在の株価3,000円に対して配当利回りは2%となる」

ま行

窓(まど)/ ギャップ

重要度中

窓(ギャップ)とは、前日の終値と当日の始値の間に価格の空白部分ができる現象です。上昇ギャップ(前日終値より高い始値)と下落ギャップ(前日終値より低い始値)があります。

主なポイント

  • 重要な経済指標の発表や企業の決算発表後などに発生しやすい
  • 「窓は埋まる」という格言があり、後日その価格帯まで戻ることが多い
  • 上昇トレンド中の上昇ギャップは強気サイン、下降トレンド中の下落ギャップは弱気サイン
  • 大きなギャップが発生した場合、トレンド転換のサインとなることがある

使用例

「好決算を受けて、この銘柄は前日終値の1,500円から当日始値1,580円と大きな上昇ギャップで取引を開始した」

や行

四本値(よんほんち)

重要度中

四本値とは、一定期間(通常は1日)の株価を表す4つの値段のことで、始値、高値、安値、終値を指します。ローソク足チャートの基本となる価格情報です。

主なポイント

  • 始値:取引開始時の最初の約定価格
  • 高値:期間内の最も高い取引価格
  • 安値:期間内の最も低い取引価格
  • 終値:取引終了時の最後の約定価格(翌日の基準価格となる)

使用例

「本日のトヨタ自動車の四本値は、始値2,100円、高値2,150円、安値2,080円、終値2,120円だった」

ら行

ローソク足

重要度高

ローソク足とは、株価の動きを視覚的に表現するチャート手法で、日本発祥のテクニカル分析ツールです。始値、高値、安値、終値の四本値を一つの図形で表現します。

主なポイント

  • 実体(ボディ):始値と終値を結んだ長方形部分
  • ヒゲ(シャドウ):高値・安値から実体までの線
  • 陽線(白/緑/青):終値が始値より高い場合(上昇)
  • 陰線(黒/赤):終値が始値より低い場合(下落)
  • 様々なパターン(はらみ線、包み線、十字線など)が相場の転換点を示す

使用例

「日足チャートで3本連続の大陽線が現れ、強い買い圧力が続いていることを示している」

関連用語

レジスタンスライン

重要度高

レジスタンスラインとは、チャート上で株価が上昇した際に反落しやすい価格帯を結んだラインのことです。過去に何度か株価が反落した価格水準に引かれ、上値抵抗線とも呼ばれます。

主なポイント

  • 過去の高値を結ぶことで形成される
  • 株価がレジスタンスラインに接近すると売り注文が入りやすい
  • レジスタンスラインを上抜けると、さらなる上昇の可能性が高まる
  • 上抜けた後に再び下抜けると、サポートラインに転換することがある

使用例

「日経平均は30,000円付近に強いレジスタンスラインがあり、2度この水準で反落している」

わ行

割安株(わりやすかぶ)

重要度中

割安株とは、企業の本来の価値(理論価値や適正価値)に比べて株価が割安に評価されていると考えられる株式のことです。バリュー投資の対象となります。

主なポイント

  • PER(株価収益率)が業界平均や市場平均より低い
  • PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る、または業界平均より低い
  • 配当利回りが市場平均より高い
  • 企業の成長性や収益性に対して株価が割安に放置されている状態

使用例

「この銀行株はPBR0.6倍、配当利回り4%と典型的な割安株の特徴を示している」